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鈴木莉紗コラム
東京マラソン2016 後半

後半スタートです。

 

前半はこちらから

 


【大会名】東京マラソン2016

【日時】2016年2月28日(日)9:10スタート

【記録】2時間39分57秒(自己ベスト約3分更新)

【順位】16位(日本人女子7位)

【天気・気温】スタート時8℃、最高気温15℃。品川〜日比谷、豊洲〜東雲で向かい風


 

 

 

 [中間地点~25km]

 

中間地点を1時間19分6秒で通過した私。

本当は1時間18分台で通過しておきたいところでした。

「単純計算で2倍しても2時間38分18秒。35km以降はガクンと落ちるからのんびり走っていられないじゃないか!」

お尻に火がつきます。

背の高い外国人男性ランナーや、ほかの男性ランナーとペースが合ったので後ろにつかせてもらい、

私は沿道側で他のランナーに囲まれるカタチに。

風などの抵抗も受けないし一見よさそうな位置取りですが、これが良くなかった。

給水所が近づくと私の目の前を男性ランナーたちが横切りドリンクを受け取るときに減速します。

ペースが落ちると、リズムが狂ってしまう。

後半の落ち込みを最小限に抑えるには一定のペース・同じリズムで走ることがカギになります。

 

沿道側から中央車線側へ移動しようと集団を抜けだそうとしたものの、囲まれてしまっているためなかなか抜け出せず。

男性ランナーたち、絶対速くなってるし!」と心のなかでふと呟き時計を見たら、

彼らが加速しているのではなく私が減速しかけていたのでした。

危ない危ない…。

淡々と走っていたら男性ランナーのペースが上がっていったので、

27km地点でようやく男性の集団から離脱できました。

「集団の中で走るときは、できるだけ沿道側にいかないようにする」

いままで集団の中で走ることがあまり無かったのですが、今回のマラソンで初めて学びました。

 

区間ラップタイムは18分39秒。

あとで見返してみると、最高ラップタイムを叩き出していたのでした。

このタイムで走ったから40分を切れたのか、

それともココで抑えていれば後半落ち込まず、もっといけたのか…?

 

 

 

 [25km~30km]

 

加速→減速を繰り返してしまったことで、

私の脚は浅草の雷門(約28km地点)に来る頃までに重くなってしまいました。

 

厩橋(うまやばし)のところに馬と騎手の方が居て、なんだか神々しく見えました。

 

一歩ずつ確実に前へ走っているはずなのに、

なかなか30km地点の距離表示が見なくて辛かったです。

30km走の練習では1時間52分38秒の過去最高タイムで走れていましたが、

この日は1時間52分30秒で通過。

 

練習とほとんど変わらないタイムなのに、練習の時より余裕がありません。

 

私は「1時間51分台で通過できるだろう」と高をくくっていましたが、やはり現実は甘くなく…。

 

「あぁ、やっぱり練習でやったこと以上はできないんだ…」

 

マラソンの神様は私に厳しくも悲しい現実を教えてくれました。

 

 

10km地点の給水アクシデントで曇ったサングラスの視界が悪く、外そうか悩んでいました。

 

紫外線が目に入ると身体のダメージが増してしまうので、本当は外さないほうが良いのです。

 

でも、集中したかったので悩んだ末、外すことにしました。

 

15〜30kmまでのスペシャルドリンクは

「マグネシウム入りの水+炭酸抜きのコーラ」だったのですが、

これも良くありませんでした。

真水だと全然吸収しないのでOS-1にすればよかったです。

 

後ほど書きますが、38km手前の豊洲でインシュリンショックと似た症状が出てしまったので

血糖値が急上昇してしまうコーラは失敗だったかもしれません。

しかし今まではコーラでも問題なかったので、この辺はよくわからず…。

 

 

 [30km~35km]

 

risa_tokyo2016_kohan01

 

私に気づいてペースメイクをしてくれようとした男性ランナー(写真で並走している方)がいました。

彼に助けられ、リズムを立て直すことに成功。

抜き去るときに「ナイスランです!」と言ってくれて、キツくなりかけていた脚とココロが息を吹き返しました。

茅場町のあたりで毎年応援してくれている知り合いのランナーがいるのですが、

その人が「莉紗さん!40分切れるよ!」と言ってくれたおかげでひと踏ん張りすることができました。

32km地点を過ぎ、銀座の中央通りに来る頃には、前半と打って変わってかなり険しい表情に。

このあたりは応援も多く、4年前に出場した時はとってもラクだったのですが今年は余裕もなく苦しかったです。

 

risa_tokyo2016_kohan02

 

写真を見ると過去最高に絞れているので、

オフ期に行っていた筋肉量を増やすための加圧トレーニングは

すごく効果的だったことを証明してくれています。

東京マラソン最大の難所と言われている佃大橋の手前、

東銀座のあたりでも知り合いの方が大声を張り上げ応援してくれたので

「ここで油断したら、諦めたらダメだ!」と気持ちがより一層引き締りました。

 

 

 [35km~40km]

 

佃大橋は応援も少なくなり、多くのランナーの気力と体力を容赦なく奪います。

この辺りから

・脚を攣ってしまっているヒト

・大幅にペースダウンしているヒト

・歩いてしまっているヒト…

苦しそうなランナーがたくさん居て地獄絵図と化してくるので、

苦しんでいる方に思わず

「一緒に頑張りましょう!」「大丈夫ですか?」

と声を掛けたい衝動に駆られてしまいます。

そんな私も余裕なんて全然ないのですが…。

脚がキツイのでとにかく腕を振りました。

ここでもたくさんの知り合いの方が応援してくれていて、嬉しかったです。

 

▼肩が上がって上半身が力んでしまっていて、前方の男性ランナーとは対照的にフォームが崩れてしまっています。

risa_tokyo2016_kohan03

 

 

▼37km地点の私。35km以降は1kmごとにタイムを確認していました。ここからゴールまでが本当に長く遠く感じました。

risa_tokyo2016_kohan04

 

 

豊洲へ行く途中にある春海橋は下り坂になっているので少しスピードが上がりました。

豊洲では向かい風が強く吹いていたため(例年は追い風)、

ダメージを受けているココロと身体にカウンターパンチをくらってしまったようで、非常に辛かったです。

38km地点の手前で血糖値がガクンと下がってしまって身体に力が入らず、とても気持ち悪くなってしまいました。

目の前が一瞬白くなり、吐き気と寒気が私を襲います。

流れていく景色も一瞬スローモーションに…。

減速したい気持ちになりましたが

「ここでペースを落としたら絶対ダメだ。」

「諦めてやめるのはいつでもできる。」

「せっかくここまで来たんだから、もうちょっと頑張ろうよ!」

と自分を奮い立たせました。

東雲橋(39km地点)の傾斜がこの時には非常にキツかったのですが、

ジムの伊藤代表からいつも言われている「キツくなったら腕を振れ!」という言葉が脳裏をよぎり、

ほとんど残されていない力を振り絞って腕を振りました。

区間ラップタイムは19分15秒。

大幅なペースダウンです。

タイムがガクンと落ちてしまいましたが、諦めずに腕を振り続けました。

 

 

 [40km~ゴール]

 

着地のときに私は親指に一番チカラが加わります。

運動生理学専門の先生にも「よくこれで骨が折れないね」と驚かれたほど。

ずっと痛かった母子球のあたりが激痛に変わってきてしまい、全身の筋肉も強張って言うことがきかなくなりました。

アゴは上がっているし、上半身も力んでいて後傾し、腰の位置も低くなり…最悪なフォームに。

立て直しもできませんでした。

キツさのあまり

「1km4分ペースで行ってもこれならなんとか間に合うか…」

と、どうしようもない逆算をする始末。

30km地点手前で抜き去った女性ランナーにピューン!と抜かされてしまいましたが、

体力も気力も限界に近づいていた私はまったく反応できず。

親友や家族だけでなく

アートスポーツの木村社長も応援に来てくれていたみたいなのですが、全然気づきませんでした。

ゴールがある東京ビックサイトの手前の上り坂は

傾斜もゆるやかで数100メートルしかないはずなのに、とってもとってもキツかったです。

ここでもとにかく腕を振りました。

そして残り200mの距離表示を見たら2時間39分10秒を過ぎ

40分切りがかなり危ぶまれる状況に。

 

残り100m…

20秒で走らないと絶対間に合わないということが分かってしまい、

最後の力を振り絞ってラストスパート。

 

2時間39分57秒でゴールしました。

 

応援ナビというインターネットのシステムで各ランナーのフィニッシュタイム予想ができるのですが、

それによると私の予想タイムは2時間40分3秒だったらしいです。

人間というのは時として想定外のチカラを発揮するものなのですね。

 

ゴールしたあと、コーチの平塚先生が来てくれて

「40分切れて本当に良かった!」と私以上に喜んでくれました。

あと3秒遅かったら…2時間40分台。

マラソンは年間何本も走れないので(とくに記録を狙うならば)、

今回30分台を出すことができて本当に良かったです。

たった数秒ですが、私にとっては非常に大きな違い。

40分を上回っていたらずっと後悔していたに違いありません。

 

ゴールした直後はあんまり実感がわかず、感動よりも

「はぁ…やっと終わった」という安堵感でいっぱいに。

ですが、しばらく歩いているうちに苦しんでいた日々を思い出し、

いろいろなものがこみ上げてきて「本当に良かった〜〜〜!」と嬉し泣きしました。

 

じつに2年ぶりの嬉し泣き。

 

このような充実感と達成感は日常生活ではなかなか味わえません。

だからマラソンって、苦しいけどやめられないのかも。

 

ゴール後はしばらく手が痺れてしまっていました。

控室で会ったお世話になっている内科の先生(東京マラソンの医療支援を統括している先生)に

「それは酸欠だよ」と教えてもらい

「ここまで追い込んだのは生まれて初めてだ!」

と今回のマラソンはかなり追い込めたことがわかりました。

ラストスパートが出来る筋力と耐乳酸能力、

苦しくなってきた時に腕を振り続けられることができたのは

ずっと継続してきた加圧トレーニングとスピード練習の賜だと改めて実感しました。

どんなときでもコツコツ続けていて本当に良かったと思いました。

 

ダメージを最小限にするため、すぐにウィグライプロを大量に飲みました。

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これを飲まなければ、もっとひどい筋肉痛になっていたと思います。

42.195kmには色々なドラマが詰まっています。

何度走っても満足が行かず、反省も尽きません。

2時間38分を切ると国際陸上競技連盟のブロンズレーベル選手として登録されて

海外レースに招待選手として参加できます。

あと数分なので、次回のマラソンでは絶対2時間38分を切りたいと思います。

今回も全然満足していないので、これからも競技者としてしばらく走って行きたいと思います。

 

皆さんからの応援がなければ記録を出すことは不可能でした。

全てのマラソン大会に行けませんが、応援してもらったぶん、

今度は私が応援で恩返しさせてもらいたいです。

お礼をしてもし切れないくらい感謝しています。

 

たくさんの応援、本当にありがとうございました!

 

次回のコラムでは今回の結果を踏まえて、反省点などを書きたいと思います。

 

 

もうちょっと続きます~

 

 

PRチーム

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